介護施設で働くスタッフの仕事内容は、利用者の介助から生活援助まで様々です。特に、高齢者など身体の不自由な利用者に対して、食事や入浴を介助することがメインの仕事と言えます。介護スタッフが利用者の身体に接触する介助行為は身体介護と呼ばれ、移乗や入浴の際にはかなりの力仕事になることが多いでしょう。スタッフが力の使い方を上手く調整しないと、スタッフ自身の身体を傷めてしまうリスクがあります。実際、膝や腰の筋肉や靭帯を傷めるスタッフが後を絶ちません。こうした事態を避けるため、内筋や体幹を上手く使い、最小限の力で最大限の効果を出すスキルは欠かせないでしょう。身体介護には、少なくとも介護職員初任者研修や介護福祉士実務者研修といった資格が必要で、このような資格取得の際には内筋や体幹を使った介助技術を学べることになっています。

また、認知症や聴覚障害を伴う高齢者の相手をする上で、利用者のプライドを傷付けないよう配慮しながら意向を汲み取れるコミュニケーション能力も不可欠です。認知機能が衰えているからといって、利用者を子ども扱いすると、高齢者は深く傷付いてしまうこともあります。どんな場合にも、利用者に寄り添える気持ちを保持することが必須と言えるのです。さらに、介護スタッフは、介護記録や家族との面談記録などの書類作成の業務もこなさなければなりません。少ない時間を利用して効率的に作成するためには、一定の事務処理能力も求められます。こうした書類は電磁的記録として残すことが多いので、パソコン操作のスキルも身につける必要があるでしょう。